映画 『オアシス』(2002年/韓国)

画像まずソル・ギョングが細い!
『公共の敵』から、20㌔減量したそうで、さすがカメレオン俳優と言われるだけあります。
少し知能が…なのかなと思ったのですが、
落ち着きのないソワソワとした感じ、喋り方など上手いです。

そして初めて見たムン・ソリ。 彼女の演技は凄い・・・!
脳性麻痺の女性を演じてますが、そのリアルさにアッパレでした。
名前を聞いた事があると思ったら、『太王四神記』に出演されるそうで、公開されたスチール写真で、目にしてたと気付きました。
朝鮮日報の記事はこちら

DVDのパッケージの写真では、
穏やかな笑みを見せて並んでるソル・ギョングとムン・ソリ。
これのイメージで、二人の純愛物語なのかと思ってました。
確かに「純愛」なのですが、その「愛」にジーンと来ました。。。
実は最初の方では、すこし退屈してしまったのだけど、
段々と引きこまれていき、ラストは胸が熱くなりました。



以下、展開に関するネタバレありの感想です。




   ↓   ↓    ↓





出所したジョンドゥ(ソル・ギョング)。
街を歩いてると、なぜかみんなが物珍しそうにチラチラと見てる…と思ったら、
周りはみんな冬用のコートやマフラー姿なのに、真夏の半袖シャツ!
自分の上着を買わずに、土産に母の服を買って帰る優しい男です。

しかし、彼の存在を疎んじてる兄(アン・ネサン)や兄嫁、弟。
母親は出所を喜んではいるけれど、手放しで喜んでる風には見えません。
ジョンドゥが刑務所に入ってる間に引っ越して、
居場所を知らせずに、出所の迎えにも行かない家族なのでした。

ジョンドゥが刑務所に入ったのは、ひき逃げで人を死なせたから。
古びたアパートに住む被害者の娘が、
体も言葉も自由ではない脳性麻痺のコンジェ(ムン・ソリ)でした。
手鏡で光を反射させ、その光がパタパタと飛ぶ白い鳥に見えたり、
蝶に見えたり、空想の世界で生きているようなコンジェ。
唯一動く手と顔(しかめ具合が凄い)の演技は、圧巻です。
女性だと尚更、そういう演技するのに躊躇するだろうに、
なりきる姿がリアルで、参りました。

そんな彼女を置いて、引っ越してしまった兄夫婦。
もうすぐ赤ちゃんが産まれるからなのだろうけど、
身障者用のアパートに、二人で住み、
調査の時だけは、コンジェを家に連れて行く兄夫婦。

ジョンドゥもコンジェも、一番理解してくれるだろう家族にさえ、
邪魔者にされている存在なのでした。
家族にさえなので、世間ではもっと偏見と差別にさらされる二人。
二人が食堂に行った時に、まだ客がいっぱいいるのに、
「昼で終わり」と断られるシーンや、
最後の方のあの事件の取調べ官が、
「こんな女に性欲沸くか」と本人の前でシャーシャーと告げたり…

出所して、フルーツ籠を持って、事故の詫びに行ったジョンドゥ。
「名前は何て言うの?」
偏見の目など一切なく、中々言葉が出ないコンジェに、何度も尋ねていました。

次に尋ねた行った時には、花束持参。
コンジェが可愛くて、つい、ムラムラッと来てしまったジョンドゥ、
無理やり何て事!と思ったら、気絶してしまったコンジェにビックリして、
お風呂場まで引っ張って行き、シャワーを掛けて目覚めさせて、
慌てて帰る小心者でした

コンジェに興味を持ったジョンドゥを見て、
「加害者なのに、被害者の娘なのに…」と、少し嫌な気分だった私、
でもジョンドゥの起こした交通事故は、
実は兄の身代わりだった知り、なるほど…でした。
しかも、自分から兄の将来を思って言ってくれたとは。。。
そんな気持ちに打算も何もない、心優しいジョンドゥなのでした。

そんなジョンドゥに恋をしたコンジェ。
自分を「人」として見てくれたのは、ジョンドゥが初めてだったんじゃないかな…
ジョンドゥが置いて行った連絡先のメモを
不自由な体で、精一杯手を伸ばして取り、やっとの思いで電話したのでした。

コンジェは「姫」という意味なんですね。
「マーマー(姫)」と呼ぶジョンドゥ。
ジョンドゥの事を「ジャングン(将軍)」と呼ぶコンジェ。
兄のカーセンターでジャージャー麺を食べさせてあげたり、
客の車(!)で送る途中、渋滞にあった時には、
車から降りてコンジェを抱っこして踊ったり、
本当に嬉しそうなジョンドゥの表情は、何だか可愛らしいし、
二人の愛をはぐくむ姿は、微笑ましい~
『オアシス』は、ジョンドゥにとってのコンジェ、コンジェにとってのジョンドゥでした。

ずっと部屋に閉じこもりだったコンジェを、屋上に連れ出してくれたジョンドゥ。
覗きこむジョンドゥの笑顔の後ろに広がる明るい空。
コンジェの目線の、このショットが好き♪

夜中に壁にかかってる「オアシス」の絵に、
木の枝の影が映って怖がるコンジェの為に、
ヘンテコなおまじないをかけたジョンドゥ。
夜中に電話で話している時も、そのまじないをしてくれて、
安心したように、ベットの中で微笑んでるコンジェのシーンも好き♪

屋上だけでなく、電車に乗せて外に連れ出してくれたジョンドゥ。
電車の中で、いちゃつくカップルを見て、
すっと立ち上がってジョンドゥの横に立ち、お茶目な仕草のコンジェ。
これはコンジェの空想の世界なのだけど、
時々こうやって、健常者になるコンジェの姿の演出が面白いというか、
コンジェの心の中を見てるようでした。
コンジェをおぶって車椅子を手に、地下鉄の階段を走るジョンドゥ。
乗り遅れてしまってゼーゼーしてるジョンドゥを車椅子に乗せて、
綺麗な声で歌い出す笑顔のコンジェ。
暖かい二人の空気が感じられて、このシーンも好きです。
それからインドの子と女性と子象が出てきて、踊るシーンも♪

しかし、そんな幸せな日々に、ある出来事が。
「一緒に寝て」とジョンドゥと、愛を確かめ合いたいと願ったコンジェ。
愛し合う二人には、自然な事なのだけど、
そこに、その日に限って訪ねて来た兄夫婦が!

強姦容疑で、警察につき出されてしまったジョンドゥ。
事故の加害者が被害者の娘をと思われても、仕方ないかもしれないけど…
警察の取り調べでも、駆けつけた兄に殴られても、
同意の上だったとは、決して口にしないジョンドゥ。

裁判をしても妹が傷つくだけだから、示談にと言ってくる兄夫婦、
私には、「裁判になったら、妹と一緒に住んでないのがバレてマズイ」と思ってる風に見えました。

緊張したら、益々言葉が不自由になってしまうコンジェ。
必死に「違う…」と言いたいのに、遮る兄嫁や取調べの警察官。
どうして耳を傾けてくれないのーーーと、歯がゆい気持ちでした。
それはコンジェも同じ…
わかってもらえない苛立ちを、ロッカーに車椅子ごとぶつかって、
声にならない叫びが、ホント可哀想でした。。。

牧師さんが来てくれて、手錠を外した隙に、逃げ出したジョンドゥ。
コンジェに会いに?と思ったら、アパートの木に登り、枝を切ってしました。
コンジェが怖がるから、刑務所に入ったら、
もうおまじないをかけてあげられないからなのでしょう、
怖がる木を切ってくれていたのでした。。。

外の喧騒で、ジョンドゥに気付いたコンジェ。
必死に窓を開けて、ラジオのボリュームをあげて、
私はここにいると言ってるようで、ありがとうとジョンドゥに伝えてるようで、
二人の姿に胸を打たれました。。。

ラストは、刑務所から送られたジョンドゥの手紙のナレーション。
その中で、不自由な体で床の掃除をしているコンジェ。
無気力そうに、鏡で光を反射させて座ってた姿ではなく、
必死に生活している姿を見ていると、ジョンドゥを愛する事で、
心の中に「オアシス」が出来たような、そんな感じがしました。
「愛」の力は、すごい~
見終わってから、DVDのお互いの方に首を傾げてる写真を見ると、
すごく暖かな、穏やかな時間が感じらて、少しジーンと来ました。


オアシス
オアシス [DVD]

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この記事へのコメント

2007年02月22日 14:17
Pandaさん、こんにちは。
この映画私も純愛ものかと思ったら、違って、いやけど究極の純愛ものなのかな。
この二人の演技には本当にアッパレでしたよね。
私この映画でムンソリさんをはじめてみたのだけど、すごい!と思わずうなりました。
明るい映画ではないけれど、いい映画ですよね。
2007年02月23日 01:01
so-so♪。さん、アンニョン♪
DVDの写真を見たら、この内容だとは思わないよね~でも見終わってからこの写真を見ると、二人の心の中の姿のような気がしました。ホント明るくないけど、心に残る映画でした~

ムン・ソリさんは、私もお初だったので、登場シーンはDVDの写真の人とは気付かず、消えキャラで、本当に脳性マヒの人と思ったのよ(;^_^A 日本の若い女優さんで、あそこまで出来る人はいないような気がするわ。

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  • オアシスを見ました!

    Excerpt: ソルギョングssiとムンソリssi主演の「オアシス」を見ました。前科3犯の男と脳性麻痺の女性の愛の物語り。二人の演技素晴しいです。ソルギョングssiはやはりさすが!という感じでちょっとあまり賢くない男.. Weblog: diary(徒然なるままに) racked: 2007-02-22 14:15
  • オアシス(90点)評価:◎

    Excerpt: 総論:脳天を金属バットでガツン!と殴られたような衝撃。世界的に評価された「ペパーミント・キャンディー」のイ・チャンドン監督が、社会から疎外された男女の愛を描く。本作で肉体... Weblog: 映画批評OX racked: 2010-10-14 11:12