映画 『公共の敵』(2002年/韓国)

画像監督は、「シルミド/SILMIDO」のカン・ウソク。
ソル・ギョングといえば、「シルミド」や「力道山」の予告編でしか知らない私、
寡黙で、あまり表情を崩さないというイメージでしたが、この映画では、喜怒哀楽が激しいし、口は悪い暴力刑事。
刑事で主人公といえば、正義の味方が常だけど、この刑事は違います(笑)
そしてイ・ソンジェは、「エンジェル・スノー」「シン・ソッキブルース」「氷雨」を見ましたが、それぞれに違う役どころで、それでも「優しい笑顔」というイメージ。
今回は、「悪」です! いやーー、中々恐ろしくて、
あの笑顔を見せる彼があんな・・・?!と驚きです。
そこまでやるかって位見事で、作り話だから良いけど、現実にいたら困ります。

他の出演者で知ってる俳優さんは・・・
「グリーンローズ」「復活」「オー!必勝」映画「シルミド/SILMIDO」のカン・シニルが班長役。
「復活」のシンヒョク&ハウンの父のアン・ネサンと、
「ドクターズ」ウ医師や「砂時計」高校生ジョンドのキム・ジョンハクは同僚刑事。
「オールイン」サンドゥ親分や「復活」チョン会長のキ・ジュボンが最初の班長。
「チェオクの剣」のマ・チュクチ・映画「達磨よ!…」のテボンのイ・ムンシクと
映画「達磨よ!ソウルへ」のシン・ヒョンジンの部下や、「氷雨」でイ・ソンジェの友人役だったユ・ヘジンは容疑者。
「ナイスガイ」のサンジンや「北京MyLove」のアン・ソックァンは、鑑識官でした。

一つの事件を巡っての、ソル・ギョング扮する刑事・チョルジュンと、
イ・ソンジェ扮するエリートのギュハン。
それと共に描かれる、韓国の警察の実情は、
ドラマや映画で見る軍事政権時代の警察とあまり変わってないような・・・
かなり痛々しい場面、グロい場面があるので、
そういうのが苦手な方は、ダメかもしれません。


以下、内容に関するネタバレありの感想です。




冒頭、捜査から戻るチョルジュン(ソル・ギョング)と班長(キ・ジュボン)
二人共顔が傷だらけで、熱血刑事?と思いきや・・・
上司からの電話で、監査が入った事を知った班長。
後ろの座席に置いてあるバックには、きっとヤクか何かなのでしょう。
という事は、班長もチョルジュンも、
ヤクを横流しして金にしてた悪徳刑事
「もう終わりだ…」と悟って、拳銃自殺(リアルな映像>_<)した班長の傷口を押さえて泣き叫び、その後どこかへ姿を消すチョルジュンでした。

新しく着任したオム班長(カン・シニル)。
部下達の机の中のだらしなさ、無断欠勤してるチョルジュンの机の中は鉛筆一本だし、あきれ返っていて、今度はまともな班長さん?と思ったけど・・・

「犯人を捕まえるまで戻ってくるな!」と激を飛ばす班長。
渋々街に出て、顔なじみのスイカ売りに、
「気に入らないヤツはいないか?」とチョルジュン。
このスイカ売り、場所代を取りに来たと思って金を出して、
チョルジュンは、いつもこうやって金をせしめてたらしい・・・

そのスイカ売りの気に入らないヤツ=イ・アンス(イ・ムンシク)を連行し、
「職業は?」と聞くチョルジュン。
「ヤクザです」って言うまで、何度も何度も!
そのたびにイ・アンスは、座ってる椅子を蹴飛ばされて、
向こうへスーーーって行くのが可笑しい(笑い事じゃないけど)
イ・アンスを空き巣犯にでっちあげ、進入する時に使うドライバーを持たせて、
容疑者の写真を撮ってると、「それ、プラスのドライバーだ」と班長。
声に出さずに、「そうそう」と頷いてるイ・アンス。
でもマイナスドライバーを探して持たせた班長(!)
結局犯人にされちゃって、かわいそうなんだけど、何だかおかしくて、
その滑稽さがブラックだわ。
冤罪が多かったという軍事政権時代、今でもこんな事が・・・?

最初この班長は、部下に対して愛情がない感じだったけど、
班長自殺の参考人・チュルジュンを見張ってる検察の人を、
おっ払ったり(邪魔だといいつつ、チュルジュンを守ったみたいだった)
ラスト付近には、検察からの電話で、
捜査に加わって勝手に動いてるたチュルジュン(交通課)の事を言われると、
「潜入捜査だ!」とズバッと言ったり、意外や人情家の班長さんでした。

こんな刑事達の様子と共に、ギュハン(イ・ソンジェ)の事も描かれて行きます。
シャワーを浴びながら、女に対する罵声を浴びせながら・・・
ちょっと変態っぽい雰囲気がある男だわーーと思ったら、
子供の前では、優しい笑顔の良き父親&良き夫なのでした。

エリートのギュハンだけど、こんな一面も。
タクシーに追突してしまい、「弁償する」と名刺を出そうとするギュハン。
そんな事よりまず詫びるべきと言う運転手にムッとして、
別人の名刺を渡しました。
・・・そしてそれだけでは終わりません。
後をつけて、一人で用をたしてる運転手に近づき、石で殴る、殴る・・・
やり方が猟奇的で、ギョッ!とします。
『自分に逆らうヤツは、どんな人でも許さない』 そんな感じのするギュハン。

投資した会社が上場する事になり、
約20億円投資した金が、10倍になると聞き、先見の目があると褒める上司。
しかしそんなところに、父親から投資をやめるという電話が。

父親の家に行き、もう少し待って欲しいと頼むギュハン。
しかし、面倒を見てる養護施設が、
すぐお金を払わないと、立ち退かなければならなくて、今お金が必要な父親。
「ギュハン、大金などいらないんだ。
金より大切なものがある。いつかお前にもそれがわかる」

父親の言葉は、ギュファンには届きませんでした。
その夜、黒いポンチョを着て、父親宅に忍び込み、
父親をメッタ刺し・・・出て来た母親も同じように・・・
この時のギュファンは、本当に恐ろしかったーーーなぜ親をここまで...!!!!(゚ロ゚ノ)ノ

虫の息で、何かのカケラを見つけた母親は、必死に手を伸ばしてました。
最初私は、証拠となるものだから、ギュファンに見つからないように、
握りしめるのかな?と思ったのでした。
でも、子が犯人だと示すものを持つかな?と思えてきました。
・・・で、後から理由がわかると。。。(:_;)

殺人の日は雨で、チョルジュンたちは張りこみの最中。
突然、大をもよおしたチョルジュンは、外でーー
用を足してスッキリしたチョルジュンは、黒いポンチョのギュハンとぶつかり、
自分の○○○に手がーーー
この映画、緊縛した場面なのに、クスッとしてしまう場面が結構ありますね。

怒って黒いポンチョの男の頭をボコンと叩くチョルジュン、
ムッとして、懐からナイフを取り出して、チョルジュンを切るギュファン。
「目が」と押さえ込むチョルジュン。
失明しちゃうんじゃ?とビックリしたーーー! 目の少し下で、ホッ。

夫婦二人暮らしだから、幾日経ってもまだ遺体は見つかってなくて、
爪のカケラを捜しに、あの家へ行ったギュファン。
腐りかけた両親に顔をしかめて、申し訳ない気持ちなど一切ありません。
匂うからか、小麦粉をかけて帰りました。

遺体が見つかって、あの日ぶつかった男が犯人だと気付いたチョルジュン。
しかし、見つかったナイフからは、犯人の指紋は見つからず、
どこの誰なのかは、さっぱり検討がつかず。

遺体と対面する時に、泣く練習をしてるギュファン。
鏡を見て泣いて、素に戻って・・・不気味だわーーー
遺体を前に見事にヨロけてみせ、事情聴取では泣いてみせました。
しかし、落としたペンを拾おうとしたチョルジュンは、
「ヤツは貧乏揺すりをしてた」と演技だと直感です。

でも、動機がわかりません。
被害者が資産家なので、遺産目当て?と睨んだけど、
遺言状には、死後施設へ寄付する事になってて、
ギュファンはもらえないのでした。
それでも彼が犯人だと、執拗なチョルジュン。

ある日のバイキングでの昼食で、男とぶつかり服が汚れたギュファン。
ちゃんと謝って、クリーニング代をって言ってくれてるのに、
笑顔を浮かべる相手の男に、すごい剣幕のギュファンは、
男の態度が許せなくて、そしてこの男をチュルジュンへの生贄にする事に。

たまたまぶつかったばかりに、殺されてしまった男が可哀想。
でもチャイムが鳴って、奥さんが戻ったと思ってすぐドアを開けたら、
ロックしてる意味ないじゃないーーー
殺した後、「サヨナラ チュルジュン」と日本語で呟くギュファン。
何で日本語なのーーー???

遺体に振りかけられた小麦粉を見て、
自分への挑戦状と確信し、怒りがこみ上げるチョルジュン。

プリクラを撮ってたギュファンの秘書の横に並び(カツラまでつけて~笑)
彼の最近の変化を尋ねるチョルジュン。
投資話で、金が入る事を聞き出しました。
被害者宅にあった養護施設立ち退きの郵便物。
それを救うために父親が、投資してた金を充てたらギョファンの儲けはなくなる…
動機に気付いたチュルジュン。

ギョファンが遺体を早く引き取りたがってると知り、
知り合いのチンピラ(?)二人を連れて、科学研究所へ。
この前に、一方的にギョファンを殴りこみした事で、
巡査長からヒラの巡査に格下げになって、交通課へ移動してたチュルジュン。
色々と協力してくれたのは、元同僚の刑事でした。
一緒に酒を飲んだ時に、手をそえてそそいでたこの刑事に、
「手はいい」とぶっきらぼうだけど、そう言ってくれたチュルジュンに、
とっても嬉しそうにしてたこの刑事さん、ここ好きなシーンでした。

科学研究所で、お母さんの首の傷を開けた男が、爪のカケラを発見し、
ギョファンの爪が剥がれてた事を思い出したチョルジュン。

食道から見つかった爪のカケラ。
こんな息子でも犯人にしたくなくて、
あんな瀕死の中、手を伸ばして飲み込んだ母親。 
そんな思いに、胸が痛みました。。。

でもその事を聞いても、何にも変わらないギョハン。
刑事だけど、正義の味方じゃないと、最初に書いた私だけど、
今や、「民衆の敵」「公共の敵」を憎む熱血刑事のチュルジュン。
殴り殴られ、チュルジュンとギョファンの決闘は続き、
最後は動かなくなってたギョハン。
まさか死んだわけじゃないでしょうね?

「金よりも大切なものがある」
そう言ってた父親は、良識のある人物のように思いましたが、
息子はどうしてあんな風になってしまったのでしょう。
なぜあそこまで執拗に親を刺せたのか、
罪のない人を、気に入らないからと殺しりする人間だったのか。
表向きは、いい人の仮面を被って・・・ただ異常なだけ? 
原因があるのかな?と思ってたので、そこの部分がモヤモヤでしたが、
最近多い殺人事件、なぜ簡単に?と、
説明のつかない、自分の常識では計り知れない事件はたくさんありますね…


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この記事へのコメント

2007年01月23日 22:20
ご覧になったんですね。
タイトルから堅い話だと思っていたのでちょっと意外でした。

かなり陰湿というか社会的にはともかく内面は・・・というギュファン。
でもソル・ギョングとカン・シニルの前ではイ・ソンジェ、ちょっと弱かったですね。
警察への皮肉(かなりブラック)も織り交ぜてあってメリハリが効いている作品でした。
2007年01月24日 19:39
sannkenekoさん、こんばんは。
レンタル屋さんで、どこかで見たタイトル…と思ったのですが、sannkenekoさんのレビューの題が頭にあったみたいです。
タイトルは堅いし、「サスペンス」とあったので、謎解き映画かな?と思ったのですが、蓋を開けると・・・
ブラックな警察の内部が、クスッと笑ってしまうのだけど、笑っていいのら(汗)

ソル・ギョングとカン・シニルは、存在感がありましたね。この作品で賞を取ったのも頷けます。ギュファンvs刑事達だけを描いていれば、もう少しイ・ソンジェが光ったのかも…?

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    Excerpt: 無気力でトラブルメーカーの刑事とエリート証券マンが対決する。 ソル・ギョング、イ・ソンジェ「公共の敵」 Weblog: 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 racked: 2007-01-23 21:39