映画 「光州5・18 (原題...華麗なる休暇)」 (2007年/韓国)

ドラマ「砂時計」で光州事件を知った時にリアルな映像と、
それほど遠くない過去に、こんな事があった事実に衝撃を受け、
この映画も、劇中も見終わってからも
胸が押しつぶされる思いでした。
同じ国民でありながら軍と市民が戦うなんて残酷だし、犠牲になった人々が可哀想で…。
でも悲しいだけじゃなく、
守ろうとする登場人物1人1人の生き様に胸がいっぱいに。
望んでいたのは「平和」なのに、なぜこんな事になるんでしょ。
彼らを描いたのは、もちろんフィクション。
でも犠牲となった市民一人一人に、
色々な背景があったんだろうなぁ。。。と思います。

以下、ネタバレ含んだ感想とあらすじです。


  ↓  ↓  ↓



光州5・18 スタンダード・エディション [DVD]
角川エンタテインメント
2008-12-05

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1980年5月の光州。
タクシー運転手のミヌ(キム・サンギョン...「弁護士たち」「雪花」映画「殺人の追憶」などは高校生の弟ジヌ(イ・ジュンギ...「王の男」「犬とオオカミの時間」など
つつましくも、幸せら暮らしていました。
両親はすでに死別し、本当に仲の良い兄弟で
見ていてほのぼの~とします。
ミヌがタクシーで通り過ぎる道も、
公園や田んぼも、緑が綺麗でのどかで、
ここが悲惨な戦場になるなんて、誰も想像つきません。


ミヌが憧れているのは、看護師のシネ(イ・ヨウォン...「外科医ポン・ダルヒ」「ファッション70」
ジヌの前では強いあんちゃんなのに、
シネの前ではドキマキしちゃって何だかカワイイ~~~。
兄貴の気持ちに気付いるジヌの方が大人かも?

聖堂の集まりを、兄の為に何気なく教えてあげるジヌ。
信者のシネも来る…よしっ、チャンスだーーというわけで、
タクシー運転手仲間のインボンと共に参加し、
自転車を一緒に乗ろうと、ようやく誘えたミヌ。
そこでイタズラッ子のジヌが、シネの代わりに後ろに乗り込んで、
そうそも知らずに、嬉しそうに話しかけて、
腰に回された手に緊張するミヌが可笑しいーー(≧О≦)
「愛してるわ。ミヌさん♡」とおどけるジヌと、怒るミヌ。
二人の喧嘩が微笑ましく、この後の運命を思うと悲しくも…。

タクシー会社の社長をしてるのがシネの父(アン・ソンギ...映画「シルミド」「ピアノを弾く大統領」「デュエリスト」などだけど、ミヌはそれを知りません。
元軍人であるシネ父の元に、
かつての部下・キム大尉が訪ねてきました。
休暇ではなく、大学に軍を置く特殊任務で来たと聞き、
チョン・ドゥファンは大統領になるつもりか…と呟くシネ父。

映画を見ていたミヌ、ジヌ、シネは、
突然流れてきた細粒ガス?に驚き外へ。
軍に対抗するために大学前でデモを繰り返す学生たちに、
戒厳軍が一斉に襲いかかり、追いかけて来たからでした。
街中の光景は、軍に酷く痛めつけられる学生たちが…。
信じられない光景に、ミヌたちに市民は呆然と見ていて、
そこにも軍が襲いかかり、ワケがわからないまま逃げたのでした。
袋小路で捕まったシネの髪の毛を掴み、殴りかかる兵士。
女性だからって容赦などありません。
「僕は高校生…」と訴える子にも聞く耳持たず、
殴るのを楽しんでるような兵士も…。
同じ国民なのに、なぜここまで出来るんでしょ。
国からの命令だし、
「敵」だと信じ込んでしまっているのでしょうか。。。


「軍はこの国を乗っとるらしい。
対抗する者いれば棒で叩いて騒ぎを鎮めてやったと言う。
軍人の言う事を聞け。そういう事だ」
神父(「ピアノ」神父美しい彼女」トレーナー「プレゼント」パパのソン・ジェホ)から話を聞き、戦いはまだまだ続く…と愕然のミヌたち。

祖国を守ろうと、市民達が立ち上がりました。
そんな時、友人の1人が軍に殺されてしまい、
ジヌも市民軍に参加したのでした。
「お前達に何が出来る?今行っても犬死」と止める先生(「ナイスガイ」刑事「天国への扉」社長、映画「オアシス」兄)
それでも、ジヌは行かずにいられなないのでした。

学生を鎮圧に来たのに市民たちが混じっているので、制圧するには、不純勢力と無実の市民を区別すべきと提案するキム大尉。
しかし平手打ちし、すべてを鎮圧するように命じるチェ軍曹。

軍隊の横暴ぶりが、もっと激しさを増していく中、
ミヌは関りを避けるように傍観者でした。
そんな時、助けを求めるケガした市民を無視しようとしたけど、やっぱりUターンして乗せることに。
その瞬間、軍隊に襲われてミヌまで捕らえられてしまいました。
殴られ下着姿でトラックで連行される道中、
隙を見て逃げ出したものの、容赦なく銃弾が飛んできて、
危うく命を落とすところでした。

逃げ込んだ民家には、
大学へ行ったきり何日も帰らない息子を待つ盲目の母親(「私の名前はキム・サムスン」ジノン母「バラ色の人生」「愛の群像」などのナ・ムニ)がいました。
血を流してたミヌに驚いたものの、
息子の服を貸しご飯を食べさせてくれ、息子・チャンスの写真を渡し、「探して欲しい」と頼んだのでした。
でもきっともう既に・・・(/_;)

シネの病院はケガ人で溢れ返り、まるで野戦病院です。
市民軍でもそうじゃない人にも、無差別な仕打ちに黙ってられず、
かつての同僚・チェ大尉に話しに行ったシネ父。
しかし、お前までアカか?と軍の命令に忠誠で、聞き耳持ちません。
銃より怖い物が何か知ってるか?人間だ」と言い残し、
出て行ったシネ父。

デモに参加してるジヌを殴って嗜めるミヌ。
しかし、親友を失ったからだと知ると、その気持ちを汲みました。
その夜、枕を並べてるジヌに殴った事を詫び、
でもデモに参加するのは止めるミヌ。
「僕が友達みたいにやられたら?
もし兄さんがやられたら、すぐに復讐してやる」とジヌ。
今日殴られた傷を見せて、
「父さんと母さんのところへ行きかけた。
俺達だけは無事でいるんだ。二人だけの家族だ。
お前まで失ったら、生きてる意味はない
」と説得するミヌ。
ミヌが傍観者だったのは、ジヌの為。。。
兄の気持ちが痛いほどわかるけど、
二人きりの家族を守るためにも立ち上がらないと…という思いのジヌ。

知能遅れの青年が、棒を持ってはしゃいでるだけなのに、
そんな彼さえも殴り殺してしまった軍隊。ひどすぎる…。
罪のない市民まで殺されていく現状に、
抵抗する市民が増えて行きました。

「12時に戒厳軍を撤収させる」と知事からの放送に、
勝った!と喜び、道庁前に集まる市民たち。
しかしこれは罠だったのでした・・・。
12時が近づき、国歌を合唱していた市民に、銃の雨がーー。
国歌が流れる中、罪のない国民が殺されて行くなんて…、
悲しすぎて、涙が止まりません....(ρ_;)

幼い子供まで巻き込まれ、
我が子を助けようとして死んだ父親もいれば、
ケガ人を見捨てられないと乗り込んだ医師までもーー。

混乱の中、ジヌの姿を必死に探していたミヌ。
銃弾が降り注ぐ中、足に怪我を負って動けない男性がいたけど、
隠れてたミヌも他の人達も、誰も動けません。
そんな時、彼を助けようとする高校生が・・・ジヌでした。
しかし男性が撃たれ、ジヌも銃で撃たれてしまって。。。
泣き叫びながら、シネ父が止めるを振り切って、
銃の嵐の中に飛び込んでいったミヌ。

死んだと思って魂が抜けたように泣いていたミヌに、
「まだ生きてる」と叱咤するシネ父。
泣きながら、グッタリとしてるジヌをおぶって病院へ行き、
「助けてください…」とすがるミヌ。
必死な姿に胸が詰まりました。。。

心配蘇生術を施したものの、ジヌは逝ってしまいました。
生きてるとわかった時、希望が見えたのに・・・(T_T)
医者に掴みかかっても、
「目を開けろ。一緒に家へ帰ろう」と語り掛けても、動かないジヌ。

お前を失ったら…と生きてる意味がないと語っていたミヌ。
傍観者だった彼も、市民軍に参加し銃を手に戦うことに。

死闘の中、兵士に追われるシネを助けようとして、
ナイフで殺されそうになったミヌ。
その兵士に銃を放ってしまったシネ。
以前は、兵士を殴るミヌを止めたのに…、
血で汚れた手は、命を救う看護師シネの
深い心の傷になったのでした。

5月22日に戒厳軍が退き、万歳を叫ぶ市民たちでしたが、
これで終わりではありません。

“愛する兄さん。ギターは今度買うよ。
今の俺に必要なのはギターより兄嫁。兄さん頑張って
ソウル大学法学部首席合格予定者、カン・ジヌ”
ジヌの持ち物の中から、そう書かれた手紙と共に、
映画に付き合う代わりにせしめたお金で買った
十字架のネックレスが出てきました。
何事もなければ、ジヌには明るい未来が待ってたのに。。。

たくさん並んだ棺とたくさんの遺族の中に
軍から逃げたミヌを助けてくれた盲目の母親がいました。
変わり果てた息子の顔に触れ、
「息子じゃない。あの子が死ぬはずがない。
暴徒じゃない…」と嗚咽していたのでした。

罪のない人々の死・・・。
シネ父が中心となって市民軍を結成し、
命をかけて光州を死守する決意をした市民たち。

軍の中には話し合いを提案する者もいるけど、
リーダーのチェ軍曹は、聞き入れてくれず
光州の周辺を遮断し、孤立させる作戦に。
賛成じゃない者もいるけど、
上の者に従わないとならなくてつらい立場です。

危険な目に遭ったら民家に逃げろと
若い学生をを抱きしめるミヌ。
弟のように犬死せず、弟の分まで生きて欲しいと…。

輸血を募る放送をしてるシネを見て、
恋人は?と聞くシネ父に、
「心がキレイな人です」と照れ、
まだシネと社長が親子だと知らなくて、
「娘さんは母親似なんですね」なんて言っちゃうミヌ(笑)
そして、「愛する人を二度と独りにしません。守りぬきます」と。

国内では、光州の状況を
「軍の犠牲は30名、市民の犠牲者はゼロ。
不純分子がデモをやらせている…」と偽りの報道です。
そんな中、外国の記者が撮った犠牲者と遺族の写真が掲載され、
真実がわかるだろうと思われたけど、
軍はそれほど甘くありませんでした。

郊外に戦車が迫ってきてるのを発見し、
自分達を皆殺しにするつもりと知り、
ミヌの提案で、道庁の地下にあった爆弾を送りつけました。
まだたくさん爆弾があるなら、戦車の撤収をと部下に言われ、
渋々認めたチェ軍曹。
これはいい作戦だった~と思いきや、
「人の命を弄ぶのか?我々は暴徒じゃない」と叱咤するシネ父。
確かにそうだわね。

そしてこれ以上の犠牲を無くすために、
将軍と会わせて欲しいと頼みに行ったのでした。
しかし、自分達がもし死んだとしても、光州が吹き飛ぶなら恩の字と言わんばかりのチェ軍曹。
そして将軍(「天国への扉」ヒラン父)に、海外メディアに知られたなら、早く決着を…と煽ったのでした。

最後の戦いは壮絶になるのが目に見えていて、
逃げて欲しいとかつての部下キム大尉に言われたけど、
最後まで戦い、残る決意のシネ父。
タクシー運転手のインボンは、
赤ちゃんをおぶった妻に説得され、家へ帰りました。

「愛する人を二度と死なせたくありません」と
危険だから帰って欲しいとミヌに説得されても、
苦しむ人を助れるのが、兵士を殺した贖罪と残る決意のシネ。

そんな二人を見守り、
「お前が死んだら恋人は独りぼっちだ。
娘を愛しているのか?
愛する人を二度と死なせたくないだろう。帰りなさい。
私は皆を集めた。だから一緒にいる」と
ミヌに愛する娘シネを託したシネ父。

送り出す娘に「気をつけるんだよ」とシネ父。
これが最後の別れ…とわかっているから
涙を堪えての笑顔でした。
そして二人が出て行った後、門を閉鎖する指示を出しました。
死を覚悟した作戦に驚き、無線機で訴え続けるシネ。
その声が届いても、返事は出来ない父でした。

途中まで行ったものの、戻る決意をしたミヌ。
戦う事が大切なものを守ると思ったのでしょう。。。
そして死んでしまったジヌの為にも、
黙って手をこまねいていられないだろうし。
ジヌが買ってくれていた十字架を渡し、
「大切なものなんです。50年後に取りにきます。
必ず隊長を守ります。」と言い、行ってしまったミヌ。

「私たち兄弟姉妹が戒厳軍に殺されています」
市内を回るシネの声に、
幼い子を抱いて別れを告げて戻る決意をしたインボン。
この表情がなんとも言えなく、胸打たれます・・・。
夫が行くと気付いていたけど、泣く泣く止めなかった奥さん。
ジヌを止めた担任の先生も、机に並んだ菊の献花を見て行く決意をし、神父様も来てくれました。

道庁に篭城した市民軍と軍との戦いが始まりました。
専門職の兵士達相手に、急造の市民軍は不利で
死を目前にして、無線機に名前を語り合う市民軍。
私たちは生きるために戦うのです
道庁に集まった勇士達に告げるシネ父の言葉どおり、
アカでも反逆者でもなく、守るために戦っただけなのに…。
その決意で参加しても、残された家族を思うと
やり切れない思いでいっぱいなのでした。

生徒を守るために、上に覆いかぶさって死んだ先生。
「俺みたいなチンピラでも人間だと実感できました」と
シネ父に感謝して死んだヨンデ、そしてインボンも犠牲に。

無線機から聞こえる彼らの声の後に、銃弾の音が鳴り響き、
ミヌだけでも助けようと、門の外へ出し
「シネを守ってくれるだろ?頼んだぞ」と笑顔を向けるシネ父。
「お父さん…」と涙声で叫び続けるミヌ。

かつての上司シネ父と対峙し、見逃してくれたキム大尉。
しかしそのシネ父の背中に、他の兵士が撃った銃弾がーー。

シネ父に頼まれたものの、やはり戻ったミヌ。
たった一人のミヌに対し、大勢の兵士が銃を向けました。
「暴徒は銃を捨てろ」と軍の投降命令に
「違う…俺達は暴徒じゃない」と銃を放つミヌ。
逆に蜂の巣状態に撃たれ、死んでしまったミヌの表情は
無念にも見えるし、最後まで戦った誇りにも見えます。


「市民の皆さん、私たちを忘れないでください」
父の死もミヌの死も感じているのでしょう、
泣きながら最後まで訴え続けていたシネ。

ラストシーンは、夢物語。
こんな事が起きなければ、多分こうなったかもいれない未来は、みんな楽しそうに笑っていて、やり切れません(ノД`);・
そんな中、1人だけ真顔で寂しそうなシネ、
彼女だけが生き残ったのでしょうか。。。



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